私は自分の秘密について話し始めた。



生まれつき、病気があること。



そのせいで、人の顔をこまめに見てしまうこと。



「今まで秘密にしてたことは、本当に悪かったと思ってる。

信じてなかったわけじゃないの。

ただ、私は────」


怖かっただけ。



そう言いたいのに、涙が溢れて止まらない。



那音が近づく足音が聞こえる。



恐らく、彼は怒ってる。

普段の彼は優しいけど、これはそういうのとはわけが違う。


怒られても 仕方ない。

嫌われても 仕方ないんだ。



「…く…っ、うぅ……」



きっと今、私は酷い顔をしてる。



もういい。

今だけは泣いちゃおう。


これでもかってくらい、思いっきり泣くことにしよう。