1度、深呼吸する。 教室の扉を開けると共に姿を現す那音。 「ごめん、未亜。遅くなった。」 見ると、汗をかいている。 どれだけ急いでたんだろう。 そのとき、窓から入る外の風が私の髪の一本一本の隙間に入っていった。 風が強いせいか、髪が一瞬だけ顔にへばりついて、目の前が黒い髪で支配される。 やがて風が収まり、私の目には那音が映っている。。