このままだと、確実に意識を手放す。



何年も病人だと、そういうのがだんだんわかってくる。



「ごめんね…」



やけに静かな公園だけど、恐らくその声は誰にも届かなかった。





…──誰?
隣りに気配を感じ、目を覚ます。



腕に力を加えて、だる重い体を一生懸命起こす。



「あ、ごめん。起こさせちゃった?」



空は夕日色に染まっていた。



思わず2度見する。



いつもこういうときは、大抵那音がいつの間にかそばにいる。



だから、今日もそうだと思ってた。



けど、そこにいたのは違かった。
予想外の人物だった。