今はもう、だいぶバランスもとれてきたんだけどさ。



「あ、そうそう。明日舞の誕生日だよね?おめでとう!」



「ありがと〜!って、早い!早いよ!まだあと、えーと、今8時だから……あ、16時間あるよ!」



舞に悪気はない。



それは、知ってる。



だって舞は、私の病気のことを知らないから。



でも、それでも私の胸はチクリと傷んでしまう。



同時に小さな嫉妬も生まれる。



だって、私に『明日』があるのかわからないから。



だから私は今日言うの。



『おめでとう』って。



だって、もし明日死んでたら、言えないじゃん。