「学生の頃に、僕も友達に連れて来てもらったんだよ。」

『そうなんですね。』

先生は大学生の時、東京に住んでいた。

「あの頃は何でも上手くいかなくて、落ち込んでばかりだったんだよね。」

一緒にいない時間、知らない先生だった…


「でも、ここを教えてもらって、高い所に立って街をみたら…自分の悩みなんてちっぽけなんだって気付いたんだよね。」

先生がゆっくり私の方を向いて

「東京タワーはさ、時代が変わっても、絶対に変わらない場所だって僕は思うんだよね。」


『初めて来ましたが、とても素敵なところです。』


ここの景色を見てしまったら…
私も先生と同じことを思ったんだ。