あの夏に見たあの町で




大学に上がると、後継者としてジジイの仕事を本格的に手伝い始めた




悠貴もバイト代をもらって俺と働いた



ジジイの側で経営者としてのノウハウを学びながら、各部署の通常業務だけでなく、全館一斉イベントの企画や新館プロジェクトにも参加したりと大学を卒業する頃には本社内での仕事はほぼ全て身に付けた





大学の卒業式の後にジジイに呼び出され、本社の社長室に悠貴と2人ノックをしてから入る





「なんだよジジイ」



社長室のデカい机を挟んでジジイの正面に悠貴と並んで立つ




こうして改めて見ると、小さくなったなジジイも...





「卒業おめでとう」




そう言って、俺と悠貴とに一枚ずつ厚手の紙を差し出した



受け取るとそこには『辞令』の文字




「新卒者の入社は四月一日で、そこから一ヶ月、新社会人としての研修を受け、その後半年間の現場研修に入る。...が、お前達2人に今更新社会人としての研修は不要と判断した。
本社内の仕事はもうできているから、明日から現場に言ってもらう」




コンコンコンと社長室の扉をノックする音がした



「ちょうど来た」とジジイが言うのと同時に「失礼致します」と扉が開かれた