あの夏に見たあの町で



盛大に溜め息をついて見せる




「そうかなぁ?勉強は結構頑張ってやってるつもりだし、身長は遺伝だけど、女みたいな顔もコンプレックスだよ?」




言いながら肩を竦める悠貴は続ける




「頭良くて身長も平均よりあって、イケメンでお金持ちで運動神経もいい方が嫌味じゃない?」




悠貴が俺を真似て言ったことに今度は俺が悠貴を真似る



「そうかなぁ?小学校の間は放課後に一度も外で遊んだ記憶がないくらいに勉強させられて、顔はいい方だけど、金は俺の金じゃない」




同じように肩を竦めて見せる





少しの沈黙の後で、2人で笑った




完璧だと思った奴でも、なんだかんだコンプレックスがあるんだよな






その日からクラスは違うのに悠貴とは毎日のように連んだ




図書室で勉強をする日もあれば、社会見学と言ってジジイの仕事を邪魔しに行ったり、カラオケやゲーセンなんかも行った





高校卒業までの6年間はそんな感じで、学年成績一位をキープして、遊びも恋愛もそれなりに学生らしくやってきた