あの夏に見たあの町で



中学に上がるとその生活は一転し、学年成績一位を維持し続ける限り、授業時間外は好きにしていいとジジイに言われた




その頃には右腕はもう日常生活には支障がないくらいに動いた





外部受験で入学した悠貴と出会った



それは中学入学直後の実力試験の順位表が掲示板に貼り出された時




げ...二番





上から二つ目に見つけた自分の名前に一瞬でジジイとの約束が消えたと思った




しかし、よく見ると同率一位で順番が五十音順に並んでるだけだった




俺の上に書いてある名前は『有沢悠貴(ありさわゆうき)』




俺の名前は『有栖川朔(ありすがわはじめ)』




「誰だよ有沢悠貴って...紛らわしい!」




順位表に向かって独り言ちる



いきなり自由がなくなったかと思ったじゃねぇか



ふぅととりあえず守られた自由に安堵の息をつく





「僕だけど」




独り言に反応があって、ビックリして横に飛び退いた




声の主を見ると、平均そこそこの身長の俺よりも高い目線から中性的な作りの顔が微笑んでいた





「頭良くて背も高くて顔も良くて...どうせ運動神経も良いんだろ?嫌味だよな...」