それから数年が経ち、俺は教師になった。 九月のある日、俺はふと灰原のところへ行きたくなり、花を買った。今までずっと買いたかった花だ。 「……紫乃」 お墓の前で、初めてあいつの名前を呼ぶ。 「奇跡をくれて、ありがとう」 俺は紫苑の花束を見せた。紫苑の花言葉はーーー君を忘れない。 終わり