光清の言葉に、涙が止まる。

「えっ?何?あいつらって。」

ときわだけが、まだ状況を飲み込めていない様子だった。

「前、紅葉が夢の中でイケメンと会っているって、言ってただろう?」

「うん、言ってた。」

「そいつらだよ。夢の中での出来事じゃない。紅葉は眠っている時に、本当に会ってるんだよ。」

ときわからは、返事がない。

多分唖然としているんだと思う。


「紅葉。何があったんだ。本当の事を教えてくれ。」


教えたくない。

だって分からない。

話す事全て信じて貰えるか。


「紅葉!」

顔を両手で覆っていても、光清が心配して私の顔を覗いてくれているのが分かる。

「お願いだ!紅葉!」

体を光清に揺らされる。

それでも返事ができない。


「……どうしてなんだよ。俺には話せない理由でもあるのかよ。」

光清の涙ぐむ声が聞こえる。

「なあ!紅葉!!答えてくれよ‼」