とにかくばれたらまずそうなので、わたしは急いで部屋に戻る

すると、聞きなれない声が聞こえてきた



「…女を連れ込んでいるらしいじゃないか」
「………何か問題でもあるのか?」

シュー、結構生意気だな

その時、ダンっと机を叩く音が聞こえてきた

「あるに決まっているであろう!!お前には婚約者がいるではないか」

「えっ……」

あぁまずい、声が出てしまった
シューは逆らう

「……だからなんだ」
「だからだ、バカ息子が!」

あの声、シューの親父かよ……

「で、その王妃とやらは誰なんだ?」

ぴくっと私は真剣に聞き耳を立てる
王妃……に、あったことは無いってこと?

「……近々会えるだろう」
「そうかよ」

少し、シューの声のトーンが下がる

「おい」
「んだよ親父」
「……父上と呼べ」

シューは、はん、と鼻で笑う

「誰が」

「………で、なんだ?」
「忘れたとは言わせないぞ」

なにを?

「一年後に王妃と結婚しなければ、お前は死ぬということだ」
「………分かっている」

覚えてたんだ…
あそこにあった書類全てに目を通していたってことだろう?

「わかっているなら良いが」

シューの父、王はドアノブに手をかける

私は急いでその場を離れた