気づくと私は知らない部屋にいた。
このブルーのシーツも綺麗に整列された本棚も、この匂いも、全然知らないもの。
「あ、起きたんですね」
何故かそこには眼鏡をかけた岸本がいた。
スーツ姿から部屋着へと変わっている岸本は、完全にプライベートという感じで、私の知ってる岸本じゃない。
「ここどこ……」
ベッドから起き上がると頭痛がして、思わず私はこめかみを擦る。
「俺の家です。覚えてませんか?気持ち悪くなって吐いたあと、気を失ったんですよ」
「え、嘘、私吐いたの?」
いくら飲んでも人前では絶対にそんな醜態は晒さないって決めてたのに……。
「もしかして、スーツダメにした?だから着替えたの?」
「ちょっとかかったぐらいなんで平気ですよ」
「うわ、本当にごめん。クリーニング代出すから待って」と、慌ててカバンからお財布を取ろうとしたけれど、急に動いたせいで、また頭がクラっとなった。
「本当に大丈夫ですから。とりあえず座って水でも飲んでください」
促(うなが)されるようにソファーへと座らされた私は、岸本が持ってきてくれた水に口をつける。



