そして……



不思議とこの場所だけ蝉の鳴き声がしない……





水の優しい音だけが響いている……



ロビンは池の水にそっと顔を近付けて乾いた喉を潤すように水を飲んでいる……





池の中心には鳥居があり

 その後には社やしろがある……



どうやって社まで行くんだ?



ボートも無いし……



橋もな無い……

池を泳いでいくのか?深さは、そんなに無さそうだけどなー。



池も公園良くある池の大きさで

 さほどでかくない……



ロビンは水飲んで満足したのか池をずーと眺めてある……



俺もロビンの左側に座り

 ロビンの肩に腕をまわしロビンの肩に頭を預けて池の景色を眺め続けた……





ピロロピロロー!!



ん?!



ふと我に戻り鳴り響く携帯の画面を覗いた……



おかんからだ………





『もしもし……』



『こら!楓!!また学校早退したんだって?!学校から連絡が来たわよ!!』
『今どこなの?!さっさと帰ってきなさい!!今日はお父さんに怒ってもらうからね!!』

プープープー……





喋るだけ喋って切りやがった_…



『……たくっ……』





さっ!帰ろうか?ロビン



ロビンも立ち上がり一緒に石段を下って行った。



こりゃ明日は筋肉痛決定だな……



最後の石段を降りて森を抜けようとしたとき……



ロビンが立ち止まった……



『ロビン行くぞ!!』



動かない……



『もしかして……ここがお前の寝床か?』



『じゃー!又な!ロビン。』



あっ!そうだ!!『明日から夏休みになるから毎日は来れなくなるんだ!』



『バイトも入ってるし……』



『三日に一回は来るからな?!頑張って他の人にエサをねだるんだぞ!!』



『他の人……通るかなっーーー?!』



携帯で時間を確認すると夕方の五時になっていた……



美しい物を見ると人間って時間を忘れる物なんだ……と認識した日だった……