「……⁉︎」

オレの名前を呼んだ気がした

振り返ると誰もいない

風の悪戯?

優しく頬を撫でていく

思わずはにかんでしまったよ

きっと あなたの仕業だと思いたい


オレのいく先々は

あなたへと続いてると信じてる

だって

足元で咲く花や 

目印のように並ぶ木々が

世界を包み込む空までが

あなたの居場所を教えてくれるから


だから

不思議といつも胸が熱くなる

だって

きっと

あなたがそこにいるから



まだ見ぬあなたへ


おそらく

その白くて細い手を

差し伸べたのなら

オレは絶対に離さない!


おそらく

その細い背中も

オレが抱きしめ守ってあげる


たぶんいつも

あなたの視線を感じてる

もうすぐホントに

オレの名前を呼んでくれそうな気がする

その

はにかみながらうつむく仕草で

オレの頬に触れて

優しく笑い返して



まだ見ぬあなたへ

あまり待たせないで?

オレは淋しがり屋だから

待つことに疲れて

哀しくなって

その場に足を抱えて座り込み

泣いてしまいそうだよ?


きっとあなたは

オレの涙を雨のせいだと

そっと傘を向けてくれる

雨が降ってなくても

あなたの優しさで隠してくれる


だから

早く声を聞かせてほしい

あまり待たせないで?

泣いてしまいそうだよ


おそらく

その細い指先で

優しく涙を拭ってほしい



オレはここにいる


まだ見ぬあなたを


あなたを

恋し焦がれ

待ち続けている