王族揃っての排斥運動は瞬く間に社交界に知れ渡っていった。
招待客のリストからもれた者、挨拶をしても言葉を返して貰えない者、最初は理由に思い当たらなかった当人達も、繰り返されるその出来事に一族で理由を探し、そして全ての出来事がアーチボルト伯爵家に対する陰口が原因であると思い至るに及んだ。しかし、どの貴族も謝る相手がわからないまま困惑し、社交界の日陰者に日々落ちぶれていく姿は、経済危機を家族の努力で助け合って補い、ドレスを工夫し仕立て直し、着回していた当時のジャスティーヌやアーチボルト伯爵夫妻よりも、もっと哀れでみすぼらしかった。
何しろ、権力におもねる事を唯一の特技とする貴族達にとって、爵位の高さよりも王族のおぼえの良さは何よりも大切だ。例え、侯爵であろうと、王族に無視されるのであれば、仲間と思われないように距離を置くのが当たり前。例え貧乏伯爵家であろうが、娘が王太子妃になることが確定しているアーチボルト伯爵家と懇意にしたいと、あの手この手で接近を計るのが当然の流れだった。
王族からの徹底的な排斥を受けた貴族の中には、アーチボルト伯爵家を訪ね許しを乞おうとした者も居たが、王妃から遣わされたメイドや護衛に追い返され、誰一人伯爵に目通りする事すら叶わなかった。
徹底した排斥活動は、夜会に出席するジャスティーヌの目にも明らかだった。
なんとか許しを乞おうと、ジャスティーヌに近づこうとしても、すぐにロベルトをはじめ、王族の面々がすかさずジャスティーヌの周囲を囲み、不埒な者からジャスティーヌを隔絶した。
自分に近付こうとする人を阻まれるのは、ジャスティーヌにとってはある意味慣れっこだったが、アレクサンドラ演じるアレクシスのそれとは違い、完全な悪意とも、憎しみともとれるその行動は、ジャスティーヌを深く傷つけ、いつの間にかジャスティーヌを屋敷に引き込まらせる結果となった。
それは、ジャスティーヌだけに留まらず、ジャスティーヌが屋敷に引きこもると、アレクサンドラもそれに倣って屋敷から出ようとしなくなった。
☆☆☆
招待客のリストからもれた者、挨拶をしても言葉を返して貰えない者、最初は理由に思い当たらなかった当人達も、繰り返されるその出来事に一族で理由を探し、そして全ての出来事がアーチボルト伯爵家に対する陰口が原因であると思い至るに及んだ。しかし、どの貴族も謝る相手がわからないまま困惑し、社交界の日陰者に日々落ちぶれていく姿は、経済危機を家族の努力で助け合って補い、ドレスを工夫し仕立て直し、着回していた当時のジャスティーヌやアーチボルト伯爵夫妻よりも、もっと哀れでみすぼらしかった。
何しろ、権力におもねる事を唯一の特技とする貴族達にとって、爵位の高さよりも王族のおぼえの良さは何よりも大切だ。例え、侯爵であろうと、王族に無視されるのであれば、仲間と思われないように距離を置くのが当たり前。例え貧乏伯爵家であろうが、娘が王太子妃になることが確定しているアーチボルト伯爵家と懇意にしたいと、あの手この手で接近を計るのが当然の流れだった。
王族からの徹底的な排斥を受けた貴族の中には、アーチボルト伯爵家を訪ね許しを乞おうとした者も居たが、王妃から遣わされたメイドや護衛に追い返され、誰一人伯爵に目通りする事すら叶わなかった。
徹底した排斥活動は、夜会に出席するジャスティーヌの目にも明らかだった。
なんとか許しを乞おうと、ジャスティーヌに近づこうとしても、すぐにロベルトをはじめ、王族の面々がすかさずジャスティーヌの周囲を囲み、不埒な者からジャスティーヌを隔絶した。
自分に近付こうとする人を阻まれるのは、ジャスティーヌにとってはある意味慣れっこだったが、アレクサンドラ演じるアレクシスのそれとは違い、完全な悪意とも、憎しみともとれるその行動は、ジャスティーヌを深く傷つけ、いつの間にかジャスティーヌを屋敷に引き込まらせる結果となった。
それは、ジャスティーヌだけに留まらず、ジャスティーヌが屋敷に引きこもると、アレクサンドラもそれに倣って屋敷から出ようとしなくなった。
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