「アントニウスは、ライバルだらけで大変だな」
二人の様子を見ながら、ロベルトが呟いた。
「でも、アレクったら、あんなにしっかりとアントニウス様にしがみついて・・・・・・」
ジャスティーヌの言葉に、ロベルトが寂しげな笑みを浮かべた。
「君がアレクというと、あの生意気なアレクシスがいるように感じるよ。彼は、田舎に帰って元気なのかい?」
まったく予想していなかった問いに、ジャスティーヌは俯くと、少し首を傾げた。
「それが、まったく便りがなくて」
「そうか、だが、御父上が御病気で家督を継ぐと言う話だったから、きっと忙しいのだろう」
親しみを込めて言うロベルトに、ジャスティーヌはアレクサンドラが言うほど、ロベルトはアレクシスの事を嫌っていたわけではないのだと知った。
「彼がいる時には、君を盗られるのではないかとハラハラしたが、アレクサンドラも無事に社交界デビューを果たしたことだし、あのバカげた見合いを早々に終わらせ、正式にジャスティーヌ、君を私の婚約者として、皆に知らしめたい」
隣に立つジャスティーヌを情熱的な瞳で見つめながらロベルトは言った。
広間の中央では、華麗に踊るアレクサンドラとアントニウスの為に場所が開けられ、独身男性陣の熱いまなざしの中、アントニウスは満足げにアレクサンドラをリードしていた。
「あの二人に広間の中央を独占させたままにするのは悔しいな。ジャスティーヌ、君の素晴らしい踊りを皆に見せつけてやろうじゃないか」
ロベルトは言うと、ジャスティーヌの手を引き広間の中央に進み出ると、流れるように音楽に乗ってダンスを始めた。
アレクサンドラとアントニウスのペアだけでもため息が出るほどに美しい組み合わせだというのに、そこにジャスティーヌとロベルトが加わると、周りで踊っていた人々は波に飲まれるように、その華麗さと美しさに目を奪われ、踊るのも忘れて寄り添いながら二組のダンスを見つめ続けた。
夜が更けるまで踊っては休憩を取り、そしてまた踊るを続けた二組だったが、休憩をとるたびに『次は自分と・・・・・・』と、ひっきりなしにアレクサンドラをダンスに誘おうとする独身勢から逃げるのにも疲れ、まだまだ盛り上がり続ける舞踏会の途中で、国王夫妻に辞去の挨拶をし、四人は大広間を抜け出した。
「アントニウス、私はジャスティーヌと庭を散歩するつもりだが、どうする?」
ロベルトに問われ、アレクサンドラの様子を確認したアントニウスは、疲労の色が見えるアレクサンドラを早く家に送り届けたいと思った。
「私は、アレクサンドラをお屋敷までお送りすることにするよ」
アントニウスの答えに、ロベルトは頷くと、アレクサンドラの手を取り、別れの挨拶をした。
同じように、アントニウスもジャスティーヌの手を取りお別れの挨拶をし、庭へと向かう二人を見送ってから、アントニウスとアレクサンドラはクッションの良くきいたザッカローネ公爵家の馬車で王宮を後にした。
☆☆☆
二人の様子を見ながら、ロベルトが呟いた。
「でも、アレクったら、あんなにしっかりとアントニウス様にしがみついて・・・・・・」
ジャスティーヌの言葉に、ロベルトが寂しげな笑みを浮かべた。
「君がアレクというと、あの生意気なアレクシスがいるように感じるよ。彼は、田舎に帰って元気なのかい?」
まったく予想していなかった問いに、ジャスティーヌは俯くと、少し首を傾げた。
「それが、まったく便りがなくて」
「そうか、だが、御父上が御病気で家督を継ぐと言う話だったから、きっと忙しいのだろう」
親しみを込めて言うロベルトに、ジャスティーヌはアレクサンドラが言うほど、ロベルトはアレクシスの事を嫌っていたわけではないのだと知った。
「彼がいる時には、君を盗られるのではないかとハラハラしたが、アレクサンドラも無事に社交界デビューを果たしたことだし、あのバカげた見合いを早々に終わらせ、正式にジャスティーヌ、君を私の婚約者として、皆に知らしめたい」
隣に立つジャスティーヌを情熱的な瞳で見つめながらロベルトは言った。
広間の中央では、華麗に踊るアレクサンドラとアントニウスの為に場所が開けられ、独身男性陣の熱いまなざしの中、アントニウスは満足げにアレクサンドラをリードしていた。
「あの二人に広間の中央を独占させたままにするのは悔しいな。ジャスティーヌ、君の素晴らしい踊りを皆に見せつけてやろうじゃないか」
ロベルトは言うと、ジャスティーヌの手を引き広間の中央に進み出ると、流れるように音楽に乗ってダンスを始めた。
アレクサンドラとアントニウスのペアだけでもため息が出るほどに美しい組み合わせだというのに、そこにジャスティーヌとロベルトが加わると、周りで踊っていた人々は波に飲まれるように、その華麗さと美しさに目を奪われ、踊るのも忘れて寄り添いながら二組のダンスを見つめ続けた。
夜が更けるまで踊っては休憩を取り、そしてまた踊るを続けた二組だったが、休憩をとるたびに『次は自分と・・・・・・』と、ひっきりなしにアレクサンドラをダンスに誘おうとする独身勢から逃げるのにも疲れ、まだまだ盛り上がり続ける舞踏会の途中で、国王夫妻に辞去の挨拶をし、四人は大広間を抜け出した。
「アントニウス、私はジャスティーヌと庭を散歩するつもりだが、どうする?」
ロベルトに問われ、アレクサンドラの様子を確認したアントニウスは、疲労の色が見えるアレクサンドラを早く家に送り届けたいと思った。
「私は、アレクサンドラをお屋敷までお送りすることにするよ」
アントニウスの答えに、ロベルトは頷くと、アレクサンドラの手を取り、別れの挨拶をした。
同じように、アントニウスもジャスティーヌの手を取りお別れの挨拶をし、庭へと向かう二人を見送ってから、アントニウスとアレクサンドラはクッションの良くきいたザッカローネ公爵家の馬車で王宮を後にした。
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