♥バレンタインの奇跡♥

すると、見かねた永久子さんが大きな溜め息をつき口を開いた。

「結人くん、彩乃ちゃんがね、結人くんの連…」

ぎゃー!ちょっと勝手に言わないでよ!


と、その時、永久子さんの言葉を遮る声が。

「結人せんぱーい!お疲れ様でーす!」

出た…桃子。

小走りで、いかにもぶりっこオーラ全開でこちらに向かってくる。


ふわふわな洋服、ふわふわな髪、ふわふわな雰囲気。

男子が好きな女子のタイプナンバーワンみたいな感じ。

見てるだけでウンザリ…。


「結人せんぱーい♪何してたんですかぁ?」

そう言いながら、結人くんの腕に自分の腕を絡める。


くっ!

見てるだけで大ダメージ…。


「ちょっと3人で話してたんだよ」

「ふーん」

すると、桃子がギロリとこちらを睨む。
な、何っ!?

その視線に怯んで後ずさりする私。


「野川さんって独身ですかー?」

「えっ?うん…そうだけど」

何いきなり…。


「なんだー、主婦かと思ってましたっ♪」

「っ!」

グサリと刺さる言葉。
ニヤリと笑う桃子。


酷い…。