「………彩乃ちゃん、彩乃ちゃんってば」

「っ!ごめんなさい、ちょっとぼーっとしてました」

初恋の淡い記憶を思い出して過去の旅をしていました…。


「もー、連絡先の交換しましょうって言ったのよ」

「えっ…はぁ、まあいいですけど…」

鞄からガラケーを取り出す永久子さん。
そして私もまだガラケーなのですよね…。
ガラパゴスケータイ。


結人くん達は、もちろんスマホ。
当たり前のようにスマホ。スマートフォン。
何やらアプリの話をしている。

…とてつもない疎外感。うひょー。


「ほんとついていけないわよね」

「…」

いや、私だってそろそろガラケー卒業考えてましたよ。


あ…なんか連絡先交換してるっぽい。

今流行りのラインってやつですか。へー。

私も結人くんの連絡先が知りたいよ…。
いいなぁ。


「うふ。お友達が増えて嬉しいわ」

「そうですか、それは良かったです…」

私はぜひとも結人くんとお友達になりたいですね、はい…。

こんなにすぐ近くにいるのに、近付けない壁を感じる…。