冷たい風が吹き、パラパラと雪が降ってきた。


「寒っ…」

「春が待ち遠しいですね」

結人くんの言葉に、胸がぎゅっとなる。


春、か…。
その時私は何をしているのかな。
どうしているだろう。


結人くんとは、どうなってる…?


空を見上げると、パラパラ降る雪がポツリ…またポツリと顔にあたっては一瞬で溶ける。

冷たい。

だけど…この寒さも冷たさも、今だけのものだから…。


だから…

終わってほしくない。
お別れが嫌だ。
ずっとこのまま冬だったら、永遠にバレンタインが来なければ…ずっと結人くんと一緒にいられるのに。

そんなこと、無理とわかっているけど。
願わずにはいられない。


降る雪も、吹く風も、今目に映る景色、全てがこんなにも愛おしく感じるなんて…。