ーーー買い物をすませると、私はバレンタイン売り場に逆戻りしていた。


別にここ通らなくても帰れるんだけどね…。

なんとなく戻ってきてしまった…。


普通に普通に。
結人くんに気付かれないように通り過ぎれば大丈夫だよね。
いや別に気付かれたっていいし、おかしくないとは思うのだけど…。

チラッと売り場に目をやりつつ歩く。
…あ、結人くんいた。


はぁ…次からはあんな素っ気ない態度とらないようにしないと!

よし!


心の中でそう意気込みながら歩いていると、


ドンッ!


「あっ、すみません…」

ちゃんと前を見て歩いてなかったせいか、人にぶつかってしまった。


咄嗟に謝り前を向くと、目の前にはいかにもヤンキーの男二人組が立っていた。


げっ…金髪と銀髪。


…私今この二人にぶつかっちゃったの?

サーっと血の気が引くのを感じた。

ヤバイ、どうしよう。


「えっと、あの、ほんとすみませんでした!でわ私はこれで…」

歩き出そうとするも、行く手を阻まれ立ち止まる。


「姉ちゃーん、人にぶつかっといてただ謝るだけってどうなのー?」

「腕めっちゃ痛ぇんですけどー?」

うわ、どうしよ…。