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「おはよう、彩乃ちゃん」

「永久子さん…おはようございます…」

「相変わらず元気ないわね」

「あい…」

そりゃそうですよ、はい。


あの悪夢のキス事件から悲惨な日々を過ごしております、野川です。



あの日…

『結人先輩ごめんなさい!もうっ、野川さん押さないで下さいよー!』

嬉しそうな顔で、プンプンする桃子。
全然怒ってないじゃん…。


結人くんと桃子が、キス…。


ぶちゅっと…してしまった。


しかも、私のせいで…。


フラフラ…フラフラ。
もう、ダメだ。


『彩乃さん、大丈夫ですか?』

結人くんが心配そうに私に駆け寄る。


『…っ!だ、大丈夫!大丈夫、大丈夫!』

咄嗟に答える私。
お願いだから、来ないで…顔見ないで。
今にも泣き出しそうだから…。


『でも、おでこ赤くなってますよ?』

『全然!全っ然!!平気!!!それよりも…私のほうが…その、ごめんね?』

すると、結人くんは何て答えたらいいのか困っているように見えた。

そりゃそうだよね…。
反応困るよね。あはは…。