なぜか、桃子と結人くんの唇が重なっていた。


ぴったりと。
しっかりと。


重なってる。



これは…夢?




何秒経っただろうか。
少しすると桃子と結人くんの唇が離れた。
私にとっては、永遠のように感じた、たったの“数秒間”。


ポッと頬を赤く染める桃子。

「結人先輩ごめんなさい!もうっ、野川さん押さないで下さいよー!」

怒っているのに、嬉しそうな顔&口調。



一体、何が起きたの…?


桃子と目が合う。
悪魔のような笑みを浮かべ、私を見る。



ぐにゃりと視界が歪む。

周りの声も音も、何もかも遠くに聞こえる。


誰か…夢だと言って…お願いだから。


倒れそうになりながら、その場に立ち尽くす。

なぜ…私は走り出してしまったのだろうか…なぜ、なぜ…転んでしまったのだろうか。


きっと私は呪われてる。
そう思わずにはいられなかった。