水を一口飲むと、コップをテーブルにおく永久子さん。

そして、優しく微笑みながら口を開いた。

「そんな時現れたのが、結人くんだったのね。彩乃ちゃんの王子様」

「…っ」

ぽっと頬が熱くなる。


まさにどん底の時に出会った結人くん。
私の心を救ってくれた人。
出会った瞬間、ぱぁーっと世界が明るくなった。


「ふふ。頬っぺた真っ赤っかよー」

「っ!だって…」

結人くんの話をするだけで、ドキドキするし楽しくなる。

心があったかくなるんだ。


「彩乃ちゃん、人との出会いはね、必ず意味があるの」

「そう…なんですかね?」

「ええ。だから、結人くんとの出会いは、彩乃ちゃんの人生で意味があることで、同じように元彼さんとの別れも意味があることだったのよ」

「はい…」

「今はまだ、元彼さんのことを考えると胸が痛むかもしれないわ。でも大丈夫。彩乃ちゃんは強い子よ。きっと乗り越えられる」

「永久子さん…」

「愛のパワーでね」

「もう!永久子さんからかわないで下さい…そもそも結人くんとはまだ何もなってないですし」

「これからなるのよ。こ・れ・か・ら」

なれれば良いけどね…。
どうだろう。