♥バレンタインの奇跡♥

慌てて起き上がり、驚いたように私を見る2人。


「……彩乃、なんでお前」

「なんでじゃない!!…っ、なに?なんなのこの状況?この女は誰!?」

発狂するように、私は叫んだ。

もう、わけがわからない。
感情がぐちゃぐちゃで…。


「ぷっ…凄い顔」

女が急に口を開いた。


私は瞬時に女を睨み付ける。
金髪に近い茶髪…ケバいメイク。

…完璧私の嫌いなタイプ。


「ふっ…あはっ!目のまわり黒っ!マスカラおちてるからっ!超うける!」

「…なっ!!」

さっき泣いたせいだ…。


「ねえ雅人、彼女さん何歳なの?」

「27」

「えっ…ババアじゃん」

ババア!?
なんでこんな奴にババア呼ばわりされなきゃいけないわけ!?


「ねー。私のほうが20歳で若いし、私のほうがいいじゃん。さっさとあの女と別れてよー」

20歳…私より7歳も若い…。
雅人は29歳だから、雅人より9歳も年下の女…。

…こんな小娘と!


怒りで震えが止まらない。
何か言いたいのに、言葉が出てこない。