♥バレンタインの奇跡♥

うっ…気持ち悪い。
なんか、吐きそう…。

思わず口に手をあてる。


…と、女が寝返りをうった。


「雅人~…」

「…ん?」

「起ーきーて」

甘ったるい、女の声。

二人とも起きたみたいだ。

私はその場に凍りついたように動けない。


「なんだよ…またしたいの?」

「ふふっ…」

…っ!

雅人、何言ってるの…?

ぎゅっと握り締めた拳に力が入る。


「照れてる?」

「照れてないよー!雅人のバカっ」

ベッドの中でじゃれあう二人。


…もう無理。


限界!


気付いたら私は、部屋のドアを勢いよく開けていた。