♥バレンタインの奇跡♥

結人くんがいなくなると、ヘナヘナと力が抜け、ペタリとその場に座り込む。



ふわぁーーー緊張したぁーーー…。



「彩乃ちゃん、しっかりして。大丈夫?」

「大丈夫じゃないです…」

「んもぅ、なんで連絡先と彼女のこと聞こうとしてあげたのに止めたのよ」

「だって…」

気持ちがついていかなくて…。


「彩乃ちゃんはスローペースなんだからぁー。ガンガン行かないと、あの桃子って子に負けるわよ?あの子、絶対結人くんのこと好きでしょ?」

「…」

それは、わかってるけど…。


「さっ、とりあえずフードコートへGOよ」

「へ?」

いつもの倍以上疲れたので、もう帰りたいです。


「私のおかげで名前で呼び合えるようになったんだから、それなりのお礼をしてもらわないとね。そうね、とんこつラーメン奢ってもらおうかしら♪」

「ええー!そんなぁー!た、確かに感謝はしてますけど、別に頼んだわけでもないのに永久子さんが勝手に…」

「んーごめんなさい。最近耳が遠くて…さぁ、早く行きましょう」

ぐぐぐ…!
鬼!