それから1週間。

あれからぎくしゃくしたままあっけなく水田くんは自分の部屋に帰っていった。

水田くんが居なくなった部屋は少し広すぎるように感じる。

物静かな部屋に秋の涼しい風が入り込む。

間近に迫った中間テストのための勉強に集中していた私は両手をあげて伸びをする。

ふと机の上に無造作に置かれた消しゴムに目がいく。

使い古してボロボロになったカバーの隙間に紙切れが覗いているのが見えた。

なんだろ?

紙切れを引き抜くと"キスの意味は?"って書かれた私の字が目に入った。

これ、水田くんに渡したはず…なんでこんなところに。

二つ折りにされた紙切れをそっと広げる。

広げて目に入ったのは


"好きだから"


そう書いてあった。

え…そんな。

私避けられてるんだって、嫌われてるんだって勝手に思ってた。

どうしよう。