「真奈おはよ!」


教室に入るなり目に飛び込んできたのは


「凛ちゃん!?おはよ〜心配してたんだよ?」

「ごめんね。ちょっと…ズル休み。」


あ、そっか、私があの告白現場に居たこと凛ちゃんは知らないんだ…。

少し気まずそうな顔を見せた凛ちゃんを見て慰めようとした口を閉じた。

いつか凛ちゃんが話してくれる時に思いきり慰めてあげよう。

私は凛ちゃんをギュッと抱きしめてあげる。



「なぁ…これ。」


その時私の背中をツンツンとつつく低い声。


「……カギ?」


抱きしめた凛ちゃんからそんな声が聞こえてもしやと後ろを振り向くとぷらーんと私の部屋の鍵を右手に持つ水田くん。

今のタイミング超がつくほど最悪過ぎる!

何でよりによってこんな大勢いる教室!?


「ちょ、ちょっとこっち!」


そう言いながら水田くんの両肩に手を当て廊下へと押し出す。

人目がつかない所まで来て周りに人が居ないのを確認してから口を開いた。


「なんであんな人前…しかもよりによって凛ちゃんの前で鍵見せるの?」

「だって俺今日バイトだし、これないとあんた家入れないじゃん。」

「そ、それは困るけどもっとバレないようにラインでも入れてくれれば……あ」

「俺あんたの連絡先持ってないけど。」


そうだった、昨日なんだかんだで連絡交換してない…。

私のミスじゃん。

致命的すぎる。


「わ、わかった。連絡先渡すから、今度から学校で話しかけないで、それか話すなら人いないとこにしてね。
バレたら大変なんだから。」

「ふーん、なんで?」

「な、なんでも!!」


ここで私が変に言い返しても結局言い返されて終わるだけ、長居はできないし早く離れなきゃ。

私は連絡先だけ交換して教室に戻った。