「何これ……。」

「今日から守ってもらう深澤家の掟。」


次の日のそのそと起きた水田くんに1枚の紙を渡す。


「深澤家の掟。
その1 いただきますなど挨拶はちゃんとすること。
その2 お風呂上りはしっかり服を着ること。
その3 家から出る時は5分私より遅く出ること。
その4 手伝いをすること…………
やっぱあんためんどくさすぎ。」

「それが守れないなら出てってもらってもいいよ?」

「わかったって守ればいいんだろ。
4つくらいなら守れるし。」

「あ、追加で…その掟は増えていきますのでご注意を。」


人差し指を天井に向け忠告してあげると、水田くんはさらに面倒くさそうだった。

でも言い返してこないとみると、観念したなこれは…これでひとまず安心。

最初は大家さんに言って同居やめようって思ってたけど、他に行くとこないって言ってたし、それに大家さん悲しませるなんて私にはできっこないんだよね。


わたしはつけてたエプロンを外して水田くんの分のお弁当をテーブルに置いてあげて鍵を渡してから家を出た。