水田くんが帰ってきて1週間程が過ぎクリスマスも間近に迫った。

あの時お母さんとの1ヶ月のことを聞いて私は涙が止まらなくなった。

あの涙はお母さんが死んでしまったこと、水田くんがちゃんとお母さんと元に戻れていた事が嬉しかったことの両方。

嬉しいのか悲しいのかもう自分でもどっちなのかわからなかった。


「うん。……全部あんたのおかげ。
ありがとう。」


そんな私を泣くこともなくそっと抱きしめてそう呟いた。

だけど触れた体は少し震えてて、本当は寂しくて辛いんだって思わせられた。

あの日以来、水田くんは毎日学校に来るようになったけど、時折どこか遠くを見つめて寂しそうな顔をする。

今も頬杖ついて窓の外を眺めてはため息をつく。

そんな光景を今日だけで何回も見た。