ゲーム機を、開く。

--ちゃかっちゃかちゃかちゃーん

「しゅーらー」

「...」

「ねえ、朱羅ってば。聞いてんのー?」

「......」

「俺の愛しの朱羅さーん」

「.........」

「電源切るね」

「やだ」

ゲーム機を、閉じた。

悠雅は朱羅をじっと見つめている。

「なに」

「可愛いな、って」

にこっと微笑むだけで、彼の周りに花が咲く。そんなイメージ。


__ちょっとだけ、かっこいい。

少なからず思う朱羅。口には出さないが。

「あのね、あのね。今日良いもの持って来たんだ!」

いきなり顔を輝かせて、子犬のような目をしながら言う。

「じゃーん!!」

出されたのは、

「......こ...ん.........?」

婚姻届だった。

だが、朱羅は、

「ごめん、漢字読めない」

対し、悠雅の反応は、

「あのね、これ、婚姻届って読むの。これにサインして役所に出したら、結婚したってことになるの。でもね、男は18からしか結婚できないんだ。女は16からできるけど。だからね、これ、来年出しに行こ?」

彼なりのプロポーズだった。
朱羅は、

「なんで結婚しないといけないの」