放課後、教室に一人。


なんか机に顔伏せていたら周りに誰もいなかった。


早くない?みんな帰るの早くないか?


優ちゃんなんて、あたしに一言もかけずに帰りやがったよ、あの野郎。



『恵麻、大丈夫?』



くらい声掛けしてもよかったんじゃないのかなぁ!?




「……グスン」



「何泣いてんだよ」



「瑞希!」




神様仏様瑞希様!


教室に入ってきて、あたしの隣の席に座る瑞希。


大好きだよ、瑞希!そういう優しいところ!




「瑞希……あたしを慰めてよ」




ボソッと顔だけ瑞希の方向に動かしてそう言う。


頬に当たる机が少しヒンヤリしてて気持ちいいなぁ……。


なんてそんなことはどうでもよくて。




「……グスン」



「そんな泣くほど?」



「え」



「さっき廊下ですれ違ったけど、どこがいいのかサッパリ」




そ、そりゃー瑞希にすればそうかもしれないけどさ…。


あたしにとったら、たった一人の好きな人だもん。