「だから、ごめんねー」



「……ま、待って!」




あたしを置いて行こうとする彼の腕を咄嗟に掴む。


つつつつ掴んでどうするんだ、あたし!


驚いて振り向く彼の顔を見ると、めちゃくちゃ驚いた顔をしていて、思わず本音が漏れてしまった。




「……あたし、絶対大事にするよ!?」



「は?」



「今振ったら勿体ないよ!?」





何言ってんだコイツみたいな顔してる!!


だって、しょうがないじゃん。
好きなんだもん。




「まぁでも、俺は彼女のこと好きだからね。ごめんね」



「………………あ、はい」





あっけない。



……終わった、



あたしの春が終わった。