歩道の上で座り込んでいた私に、突如男の子のお母さんと思われる人が現れて男の子を助けてくれたことへの感謝を述べて去っていった。

私は、そのまま意識が抜けたようにフラフラと道の隅へと移動すると他の人もしているように花壇のレンガに腰掛けた。

「三谷！！…さっき事故にあいかけたって？！周りで見てた友達から聞いたぞ！大丈夫か？！」

そして走って私の前へと駆けつけてくれた彼は約束をしていた市村くんだった。

「市村くん…、。」

「…三谷？」

すごく慌てていたのか息を切らしている彼に気の抜けた声でそう名前を呼べば心配そうに顔を覗き込む彼。

「私…、2年前に1人大切な人を殺してしまったみたい…」

そしてその場でボタボタと涙を零しながら手で顔を隠して泣いてしまった私を彼は少し戸惑い気味に抱きしめた。

「三谷…。どういう意味か聞いていい？」

そして優しくそう呟いて私の頭をポンポン撫でてなだめてくれる彼。

思い出した全てを私は素直に打ち明けた。