俺は旅行から帰国した。

彼女の手術は無事成功した。
まだ、体は気にしなきゃいけないらしいが順調に元気になっている。

帰国後、彼女のところに飛んでいった。
そして、流れの激しい滝のように旅行の話をしまくった。

彼女は楽しそうに聞いていて、俺に目がキラキラしてるね!と言った。

そして、時間が経って彼女の退院の日になって彼女は大学に復帰した。

今は昼ごはんだけでなく、会いたい時、会える時に会っていた。

やっと恋人になれたんだと毎日ゆっくりと感じていた。

でも、そんな時だった。

ゆき「…どうしたの?元気ないね。」

りょうた「…うん。いや、なんでもない…」

彼女は怒った顔してこっちをみてた。

りょうた「あ、また俺キラキラしてない?」

ゆき「うん。どうしたの?」

りょうた「実はアメリカに留学しないかっていわれてて…」

ゆき「すごい!よかったね!どれくらい?」

りょうた「1年なんだ。」

ゆき「…1年…あぁ、私、てっきり短期集中型だと思ってたから1ヶ月くらいかと…そっか…」

りょうた「どうしようか迷ってる。せっかくゆきと付き合う事になって、こうやって一緒にいられるし、いたいって思うし、でも…」

ゆき「『でも、行きたい』んだよね?」

りょうた「うん。」

ゆき「じゃあ、行ってきて!1年間、私、待ってるから。ね!」

りょうた「…いいの?」

ゆき「もちろん。」

彼女は笑顔で言ったがそれはいつもの笑顔ではなく、なんだか今にも泣き出しそうな笑顔だった。

そして、あっという間に出発の日になった。
てれくさいので家族や友達の見送りは断ったがどうしても彼女の顔だけは見たくて、彼女にだけ見送りをお願いした。

りょうた「ごめんな、空港までわざわざ見送りに来てもらって…」

ゆき「ううん。全然。本当に私だけでよかったの?」

りょうた「うん。ゆきだけでいい。」

ゆき「そういう照れる事、さらっと言えちゃうよね(笑)」

りょうた「そうかな(笑)」

ゆき「向こうに行っても体に気を付けてね。」

りょうた「うん。ありがとう。そろそろ時間だ…」

ゆき「あ、これ。飛行機で読んで!今どき、手紙なんて恥ずかしいけど一所懸命書いたから。」

りょうた「ありがとう。ちゃんと読むよ。じゃあ、いってきます!」

ゆき「うん。いってらっしゃい、気を付けてね。」

そして、俺は飛び立った。
最後に振り向いたとき見えたのは泣き顔と笑顔がまざった顔だった。

そして、出発してすぐ彼女からの手紙を読んだ。

ーりょうたへー

今どき、手紙!って笑うかもしれないけど

言葉で言うのもてれるし、でもちゃんと

伝えたかったのでメールやLINEではなく

手紙にしました。

りょうた、本当にありがとう。

私を好きになってくれたのは

もちろんだけど、りょうたは私に勇気を

くれたから。

実はずっと前から手術の話はあったの。

でも、私、恐くてずっと踏み切れないで

いたの。

でも、りょうたの行った国の話を

聞くたびに私もいつか行ってみたいって

思った。もっともっともっと世界を

見てみたいって思った。

私に勇気も希望も未来も与えてくれたのは

りょうたなの。

本当にありがとう。

感謝してもしきれないくらいありがとう。

体に気を付けて、たくさんいろんな世界を

見てきてね。

…そして、書くの恥ずかしいけど

大好きです。

ーゆきよりー

りょうた「そんな事ない俺の方が…俺の方が…」

俺は泣いた。涙が止まらなかった。

そして、決めたんだ。

1年後留学が終わってちゃんと帰国したら………