しかし、終わりも突然だった。
俺は長い休みに入るとバイトで稼いだ範囲で海外にひとり旅に行った。
夏休み同様冬休みも行く予定にしていた。
その話をしていた時…
りょうた「今度の冬休みは東南アジアのどこかの国に行くつもりなんだ。」
ゆき「……」
りょうた「…どうした?なんかあった?」
ゆき「……うん…あのね、勉強教えてもらうの今日で最後にしたいの…」
りょうた「え!?」
ゆき「ごめんね。私からお願いしたのに急にこんな事言って…」
りょうた「…なんで?」
ゆき「…うん…勉強のコツもわかったし、いつまでも甘えられないなと思って…」
りょうた「俺は全然、気にしないけど。」
ゆき「私が気にしちゃうから。」
りょうた「で、でもこれからも会ったりはできるよね?」
ゆき「…ごめん。会うのも今日で最後にしたいの…本当にごめんね。本当にありがとう。じゃあ…」
彼女は足早に去っていった。
それから、彼女は姿を見せなくなった。
よくよく考えてみたら俺は彼女の連絡先すら知らない事に気づいた。
俺達のつながりは昼のあの時間しかなかった。
距離なんか縮まってなんてなかった。
終わってしまったんだ。
でも、俺はまだわかってなかった。
俺はある日インフルエンザで近くの大学病院に行った。
最初はインフルエンザの幻かと思った。
そこにパジャマ姿の彼女がいた。
俺は思わず声をかけた。
りょうた「ゆきちゃん!!」
彼女は驚いた顔をしてこっちを見た。
そして、ダッシュで逃げて行った。
俺は自然に追いかけていた。
すると、角を曲がったところで彼女は苦しんでいた。
りょうた「大丈夫?どうしよう…」
ゆき「大丈夫…少ししたら落ち着くから」
りょうた「とにかく座ろう。」
ゆき「ごめんね。」
彼女はずっと俺に謝っていた。
そして、落ち着いた彼女は俺に話してくれた。
彼女は小さい頃から心臓の病気で入退院を繰り返していたらしい。
最近はここ何年は落ち着いていたらしいがこの前の定期検診でひかかってしまって入院する事になったと寂しそうな笑顔で言った。
その時、俺はわかった気がした。
はじめて彼女に会った時のあの優しい顔。
彼女にとっては大学のあの場所が彼女にとっての世界だったんだと。
きっと毎日が世界旅行だったんだ。
それから俺は毎日バイト前の少しの時間に会いにいった。
心配だという気持ちもあったがそういうことよりもなによりもただただ彼女に会いたかった。
そのことを1番に強くそう思った。



