「レイニー……」

「ヴィンスにユアンまで……役者は揃ったということかしら?」

「勇ましいねぇ。さすがは我が娘。では状況を整理しようか」

 周りを見渡す余裕もなかった私はヴィンスの呟きで、やっと彼らの存在に気付いた。

 扉の前に鎮座する私とフィン。真っ直ぐ見据えた先には現王ハンニバルと父、マリ―が居る。ヴィンスとユアンは私から見て左上方で剣を構えており、目を白黒させていた。

 王は何も言わず冷淡な瞳で此方を見やる。あまりにも冷めきった眼差しは、興味のなさを如実に表していた。

 餓鬼が起こした火遊びだとでも思っているのだろう。

「そうね。説明して欲しいわ。フィンもお父様の差し金?」