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「フィン!」

「ベルナール!?」

「話は後だ。持ち場は変更。お前はエレアノーラ嬢を侯爵様の元へお連れしろ」

「何故レイニー様が戦場に!?」

「黙れ。リーダーは俺だ。

 背を合わせてる間に道を開く。お前はそのまま彼女を連れて走れ。場所は、その女が知ってる」

「なんでメイドのマリーが!?」

「いいから戦え。口じゃなくて手を動かさないと死ぬぞ」

 肉を切り裂く音。鉛の弾が飛び交う虚空。風を切る剣の舞。それらを調べに交わされる言葉。全てが如実に表していた。此処が戦場であることを。

 自らの姿を眺め、私はドレスに手を掛けた。布を引き裂く音が、やたら大きく響く。手で切り裂いたそれを投げ捨て、飾りのリボンで髪を高く括った。