ジリリリ!

「ん~。目覚ましうるせぇ!」

現代で使っているのは珍しいとてつもなくうるさい目覚まし時計をぶち壊す勢いで止めた。

上半身だけゾンビのように起き上がらせ、充電器をスマホから外し電源をつける。

だがすぐさま脱力しベッドに伏せ、昨日の美也子とのメールのやりとりを見返した。

[誘わない。積極的に行かない。少しだけ冷たくする。まずはこの3ヶ条を覚えなさい]

[なにそれ、五箇条の御誓文みたい]

[ちゃんと智樹に反撃する気ある?]

[ありやす!]

[まぁ、たまーにちょっと構ってあげたりはすること。そうしないと冷められちゃう可能性だってあるから]

[一か八かっすね!]

[そーゆーこと。
とりあえず、まずあんたがすることは...]

メールを真剣に読んでいる途中で、下から母親が大声で「ご飯よ!」と言ってきた。
いい歳になってよく声が出るもんだな、と感心しているがそれを口に出したら明日からのご飯がなくなる。

「はーい!」と、返事をして私は着替えてからリビングへ向かった。

大体の内容は頭で覚えている、大丈夫だ。
見てろよ?智樹の馬鹿野郎。