そんな沈黙を破ったのは...。

「...あのさ」

私だ。
もし、もしだよ?

「ん?なんだ」

今、また私が智樹に"一緒に帰ろう"って言ったら、"良いよ"と答えてくれるかな?
今度こそは、断られないかな?

そんな不安を抱え、彼に背中を向けながら
「今日、一緒に帰れない?」
そう言った。

再びの沈黙。
そして...


「悪いな、今日このあと用事があるんだ」


彼はそう答えた。