真帆は天にも昇るような快感に近い幸福感を味わった。まるで一つになったような一体感も同時に感じていた。
悠雅は抵抗することなく、真帆の胸の中で泣いていた。


先輩...もっと泣いてください。私に身を委ねて...もっと私を必要として下さい。
あなたに出会ってから半年も経っていない。他人からするとそれは"浅はかな恋"だけど....だけど、私にとって生まれ変わったような数ヶ月だったんですよ?あなたのことを考えるだけで毎日が楽しかった。
あぁ...好きです....大好きなんです。先輩....


真帆は抱きしめる力が無意識に強くなっていく。伝えたいのに伝えられないのが苦しくて辛く、真帆も涙をポロポロと流していた。

すると、それに気付いた悠雅はハッとしてすぐに真帆の手の中から離れた。


「あっ、ご、ごめんね真帆ちゃん。真帆ちゃんだって辛いのに...本来なら逆だったのに....」


「い、いえ....そんな事...」


「言わなくても分かるよ....今日はありがとうね真帆ちゃん。僕の為に態々...
今日は取り敢えず帰ってくれるかな?明日学校にいけるように....心の準備をしたいから...」


「....分かりました。私、学校で先輩のこと待ってます。
あ、これを先輩に....」


真帆はポケットから御守りを取り出すと、悠雅に手渡した。