想像すればするほど妄想は止まらなく、ゾクゾクと電流が走るように感じる。
悠雅の表情にドキドキしながら、真帆はゆっくりとドアをノックした。


「...せ、先輩?真帆です。先輩と話に来ました。」


数秒後、足音が扉前まで来たのが聞こえ、真帆は扉に耳を当てた。


「...真帆...ちゃんか...悪いけど帰ってくれないかな?...」


扉越しに真帆は囁かれた。ゾクゾクして、真帆の心拍数は急上昇。当然帰りたくない。


「い、いいえ!?か、帰りませよォ!
ご、ゴホン...話だけでもお願いします。私、先輩と話せるまで帰りませんから。」


そう伝えてから数秒後、ドアのロックが空いた音がし、中から髪がボサボサになった悠雅が現れた。顔も何処か生気がなく、前の太陽のように明るい悠雅はいなかった。
だが、真帆は幻滅などしない。寧ろ見とれてしまっていた。

ぼーっとしている真帆を見て悠雅は鼻で笑った。


「フッ....幻滅したでしょ?とにかく帰ってくれないかな?今は...一人でいたいんだ...」


「あっ...そ、そんなことありません!それに、一人になりたかったら私が帰ってからにしてください。私は絶対に引きません。」



「...分かった。入ってきて。」


悠雅はドアを開けて、暗闇で染まった部屋へ誘導する。真帆はドキドキで心臓をはねつけさせながら、憧れの悠雅の部屋へと足を踏み入れた。