「......見つかってはないけど見当はついたって。崖の下に先輩の血痕があったの。
口では言わなかったけど、自殺で捜査は進むと思う。」


「そ、そっか...」


「晶子、悪いけど私先に帰るね。ここにお金置いておくから、それじゃあまた明日。」


真帆は金だけ置くと晶子の返事も聞かずにさっさと店から出た。晶子も真帆の事を察しているのだろうか、真帆に追いかけようとはしなかった。

真帆は店外に出るとスマホをぎゅっと握り締めていた。真帆は怒っていた。静かに、心の中で怒っていた。
スマホを勢いよく操作し、真帆はある人物へ電話を掛ける。


「.......もしもし?どちら様?」


「あんたでしょ!!あの女の証言したの!!どういうつもり!?私の味方といいつつ、私をなんで追い込むような事をするの!!?ふざけないでよ!!!!」


真帆は電話口で思いっきり叫ぶように怒鳴った。心の中で押さえ込んでいた怒りが一気に放出された。

今の真帆が最も恐れているのは悠雅との未来が壊されること、例え自分の腕がもげようとも身内が全員死のうが最優先は悠雅。それが親友の晶子と言えどもだ。

だからこそ、これは真帆にとっては最悪の事態。