「そう!僕、写真部で一応部長してるんだ。これからオリエンテーションでしょ?その時にもまた発表するけど、この際だからって思って。
....迷惑だったかな?」
「い、いえ!迷惑だなんて!ぜ、全然!」
「ありがとう。...どうかな?写真部。イメージ的には地味だと思うけど、やってみると結構楽しいんだ。普段見ることが出来ない、見れたとしても一瞬で終わってしまう出来事を保存できる。そしてそれを撮れた時は本当に感動ものだよ!?」
男子生徒はここぞとばかりに興奮しながら宣伝してくる。対して真帆はその男子生徒をポーっと見ていることしか出来ない。彼が一生懸命に話している姿に見とれていた。
「....あっ、ごめん。つい熱くなっちゃって...で、でもそれ程面白いんだ写真を撮るの。
もし良かったら....部活とか決めてなかったら...どうかな?」
そう聞かれ、真帆はハッとする。結局聞き取れたのは入るか入らないかくらいだった。
「へ?あっ、えっと...」
真帆は何故か迷った。普段の彼女ならすぐに"すいません。あんまり部活動とか考えてなくて"という感じで冷たく拒否していた。
だが、彼女の心の中でブレーキがかかっていた。
何故だかは分からない。だが、この男子生徒と一緒にいたい、一緒に活動してみたいという気持ちが溢れてくる。



