「そうだったんだ...ごめんね?変な事思い出させちゃって...」
真帆は烏龍茶を一口飲むと、笑顔で顔を横に振った。
「ううん。大丈夫。寧ろ今まで溜め込んでたモヤモヤを吐き出せて楽になった。ありがとう。」
そう言うと晶子は嬉しそうにした。
そんな晶子を見て真帆は少なからず罪悪感を感じていた。
すると、真帆の携帯がポケットの中から電話の通知音が鳴り始めた。
真帆は晶子に一言謝罪を入れるとその場で携帯を操作して電話に応答した。
「もしもし?」
「あ、神崎 真帆さんかな?私、警部の瀬良だけど」
電話の相手は千紗の件で真帆に事情聴取をした警官だった。それが分かると真帆は少し眉を狭めた。
「こんにちは。どうしたんですか?」
「家へ向かったんだけど帰ってないって聞いてね。電話で失礼するよ。
で、早速用件を伝えるよ。心の準備をしといてくれ。」
警官の一言で真帆の表情が固まった。嫌な予感が真帆の背中をゆっくりとなぞった。
「な、何ですか?」
「鷹宮 千紗さんの居場所が判明したよ。」
真帆の肌から汗が溢れ出た。感じ取っていた予感が見事に的中、心臓をぎゅっと握られたような緊張感が真帆だけ味わっていた。



