そんな何気無い会話を交わしながら、二人は帰る支度を始めた。時刻は八時過ぎ、そろそろと帰らなければいけなかった。
だが、興奮が冷めていないのか晶子はマイクを手に持って、椅子の上に立った。
「はい!!ここで真帆に重大な〜お知らせがありま〜す!!」
「炭酸....酔い?何かすごいテンション高いけど....何?重大発表って。」
「んふふふ〜。実は私...好きな先輩出来ました〜!!はい!拍手!!!」
晶子は酒がまわりすぎたオッサンのようなテンションで言った。真帆も少なからずこの場を楽しんでおり、興奮状態でもあったが晶子の一言で一気に熱が冷める。
....まさか....
悠雅だったらどうするのか、晶子をどうすればいいのか、親友なのに、処理しなければならないのかっとそんな考えが一斉に浮かんできた。
「私の好きな先輩はぁぁ〜........サッカー部の渡井先輩でええす!!!きゃぁーーー!!言っちゃったぁぁぁ!!」
「わ...渡井先輩?」
真帆は肩の力が一気に落ちたのと同時に"誰それ?"というワードが頭の中に浮かんだ。
気まがえていた自分が馬鹿みたいに感じて、想像以上に拍子抜けしていると、その反応を見て晶子は青ざめた。
「え?....もしかして....被って....た?」



