花瓶─狂気の恋─



一体どんな育て方されたらこんな性格になれるんだろ...こういうのを"できた人間"って言うのかな....

自分が持つことのないものを持っている晶子に、嫉妬に近い憧れのようなものを感じた。


「...ありがとう晶子。だけど、そんな気を遣わないで。折角のカラオケだから、私もいっぱい歌いたい。だから、晶子も気難しくしないで?」


「...分かった。じゃあ早速私から歌うよ!準備はいい!?」


晶子は飛び付くようにパッドを操作し、曲をどんどん予約していく。

それから二人は無我夢中に歌った。今まで不安や不服をぶちまけるように荒々しく、だが何処か清々しく歌った。
歌い始めてから、気が付くと二時間。二人の感覚としては三十分程度だった。


晶子はメロンソーダが注がれたコップを音を出しながら飲んでいた。


「いやあ〜歌ったね!こういう後の炭酸って本当に最高!!」


「喉痛めてるのに炭酸って良くないでしょ?こういう時には烏龍茶が...」


「真帆知らないの?烏龍茶とかそういう系って喉の脂を取っちゃうらしいから逆にダメなんだよ?」


「え?本当に?」


「そんな風な噂を....聞いただけ。」