────────────────────
何故か重く感じるドアを開けると、いつもなら流したら苦情が来そうなテレビ音が流れ、薄暗い部屋が現れる。
晶子は妙にテンションが上がっていて、飛び移るように部屋に入る。
「よぉ〜し!今日はもうはっちゃけよう!!どんどん歌ってテンション上げてこう!!」
「もう充分テンション上がってるんじゃない?晶子に関しては。」
「えぇ?そう?そんなことないよ〜!さぁ、早く歌って盛り上がろうか!!」
晶子の行動は誰から見ても無理をしているようにしか思えなかった。晶子は真帆が落ち込んでいるからこそ、自分が明るくしなくてはと思っていた。
その事には当然ながら真帆も気付いている。
「...もしかして私に気を遣ってる?晶子。」
その一言に晶子は固まる。何か言いたげな感じも出したが、すぐに黙り込む。その沈黙は質問の問いと真帆は認識する。
「大丈夫だよ。そんな下ばっか見てる訳じゃないし、前もちゃんと向いてる。」
「....だけど、真帆にようやく出来た大切な人が居なくなったんだよ?人間関係が苦手って言ってたのに...ようやく出来たのに...大丈夫な訳ないじゃん。そんなの私でも分かる。」
晶子は目に涙を浮かべた。その純粋さに真帆は呆然としていた。



