花瓶─狂気の恋─


カフェから出ると、全速力で走った後かのように疲労と息が荒れていた。雫という今まで出会ったことの無い人種、彼女の一言一言が破滅への第一歩、悪魔の囁きのように真帆の心を刺激していく。

真帆は自分を冷静沈着だと思っていたが、表には出さずとも心をこれ程乱し、モヤがかかる目的としてる三神 雫に恐怖を感じていた。


あの女...一体何が目的なの?あんな嘘....御託を並べて。何か裏がある筈...


疑えば疑う程霧濃く姿が見えなくなる雫に対して、徐々に苛立ちを覚えてきていた。

真帆は携帯を取り、電話帳を開いてコールボタンを押した。
数回コールの音の後、受話器が上がる音がする。


「もしもし晶子?やっぱ...カラオケいかない?」