「あ、あの...どうしたの?ぶつかっちゃったのは本当にごめん!....もしかしてどこか打ったりしたの!?怪我は!?」
男子生徒は更に詰め寄り真帆の頭に触れようと手を伸ばす。真帆は伸びてくる手によってようやく理性を取り戻し、触れそうになった瞬間に飛び跳ねるように立ち上がる。
「だ、だだだ大丈夫です!なんともありません!」
真帆は自分の言葉、反応に心の中で驚いた。
え?どうしたんだろ私...何でこんなに焦ってるの?何でこんなにも身体が熱いの?
この十五年間感じたことも無い症状に真帆は戸惑った。そんな事を知る由もない男子生徒は、更に近付いた。
「....本当に大丈夫?無理とかしてない?」
「ほ、本当に大丈夫ですから!...き、気持ちだけで...」
「....!もしかして君...新入生?」
「?は、はい...そうですけど....」
男子生徒は一気に顔が明るくなり、少し興奮気味だった。
「だよね!あのさ、ぶつかっちゃっといて悪いんだけど、僕はこういう部活動しててさ。はい、これ。」
その男子生徒は片手に持っていた紙束の中から一枚取り出し、差し出した。
真帆はゆっくりとそれを受け取り、紙の内容を見る。
「...写真部?」



